第1回 音楽心理療法のための夏期講習会

 

2019年7月13日-15日に「心理的ケアを目的とする音楽療法」のための夏期講習会を開催しました。

国内外の専門家や精神科で働く音楽療法士による講義やワークショップを通して、「生きることがつらいクライアント」とどのように関わることができるのか、音楽がどのような助けとなり得るのか。音楽を通して新しい自分を発見することを自ら体験し、その専門的アプローチについて分かち合う機会でした。

 

募集開始直後にワークショップコースは満席となりました。たくさんのご参加ありがとうございました。


テーマ「音楽を通して自分を見つめる」


【3日間プログラム】(受付終了)

日時:2019年

7月13日(土)   :講義・ワークショップ・茶話会 

  14日(日)   :講義・ワークショップ

  15日(月・祝) :講義・ワークショップ・コンサート

 

参加条件:

18歳以上、音楽心理療法に興味のある方、初心者参加可

 

定員:

約55名(先着順)

 

参加費:

① 3日間ワークショップコース                          37,000円(税別)

② 3日間レクチャーコース                                      20,000円(税別)

1日参加コース(ワークショップ参加不可)        7,500円 (税別)

 *ワークショップコースは「自分と向き合いたい人」は参加可

 

 会場:

聖グレゴリオの家(東京・東久留米市) Tel:042-474-8915

 

ダウンロード
申込用紙
音楽療法のための夏期講習会2019.pdf
PDFファイル 490.0 KB


<3日間連続ワークショップ>(各グループ定員制)

① 声を通して自分を知ろう(16名まで)


<満席>

私たちが普段なにげなく使っている声。 無意識に使うなんて実はとてももったいないことなのです。声は、単なるコミュニケーションツールではありません。自分の声に意識して耳を傾ければ、自分自身をより深く知ることができるはずです。なぜそれが大事なのか。それは、声を出すということは、その人の身体から出てくる声だけでなく、雰囲気、気持ち、心の動きをそのまま外へ向かって広げていくことだからです。

(講師:鎌田菜美)

鎌田菜美

ドイツ認定音楽療法士、声楽家。国立音楽大学声楽科卒業、ドイツ・ミュンスター大学音楽療法科修了。2003年より現在まで精神科病院にて常勤音楽療法士として勤務、精神科及び心療内科をはじめ、高齢者病棟、依存症病棟、児童思春期精神科、司法精神科、脳神経科での音楽療法セッションを行う。国内外で音楽療法のセミナーやワークショップを開催しており、即興演奏を軸とした音楽心理療法セッションや自己分析、声と心のつながりを探る「声のセミナー」には定評がある。ドイツではウクレレデュオ「coconami」のヴォーカリストとしてこれまで3枚のアルバムを発表、映画出演も行っている。

② 心のオーケストラを聞いてみよう(16名まで)


<満席>

ここでは主に2つの介入方法で自分と向き合う方法を紹介し、実践して頂きます。楽器をいかに捉え、見つめ、奏で、表現させるか。そしてそこに自分の感情や行動がどう浮きだされるのか。グループでだからこそ学べる、自分探しのワークショップとなります。

*本当に自分と向き合いたい姿勢のある方のご参加をお待ちしています

(講師:キカート結佳)

キカート結佳

ドイツ認定音楽療法士、ドイツ音楽療法協会認定音楽療法士、心理療法専門ハイルプラクティカー。

明治学院大学社会学部社会福祉学科卒業、SRHハイデルベルク大学音楽療法科修了。在学中に障害者のための社会支援施設、発達障害児のためのクリニックセンター、児童思春期精神病院で長期実習を経験。2009年よりハンブルク近郊の成人精神科病院で専属音楽療法士として勤務。2012年よりハンブルクにて音楽療法室こころを開室。20183月より上記精神科病院に属するデイクリニックでもグループ療法を担当。その他、ドイツ語圏在住アジア人音楽療法士のためのワークグループの責任者も担う。

③ ありのままを聴くこと奏でること<8名まで>


<満席>

音楽を通じて自分を見つめることは、まず自分を「聴く」ことから始まります。音になる前の無意識の音、あるがままの自分を聴くことは「奏でる」ことの前提です。音楽療法士にとっても先入観なく相手を全身全霊で聴くこと、また相手が表出した音を「どう聴くか」が、音にする以前の大事な手掛かりになります。このワークショップでは、呼吸、声、音とムーブメント、楽器などを用いて普段の思考モードから離れて聴こえたものをあるがままに自発的に音で表現してみる、またそれを聴いてもらうという体験を通じて、新たな自分の側面を探っていきます。

(講師:鈴木琴栄)*持ち物あり

 

 

鈴木琴栄

全米・日本音楽療法学会認定音楽療法士。20161月までモロイ大学音楽学部音楽療法学科講師、コロンビア大学付属病院児童・精神科に在職。現職、高知県早明浦病院、勤務。ニューヨーク大学大学院音楽療法学科修士課程修了。レズリー大学表現アーツ療法科博士課程に在籍中。NYノードフ・ロビンズ音楽療法センターにて、障がい児や脳卒中後の成人などを対象に実践を積み上級資格を取得後、育成クラスの助教を務める。さらに、分析音楽療法、ボーカル・サイコセラピーなど、即興を用いた音楽心理療法の上級資格も取得。成人を対象にした音楽心理療法や音楽療法士のためのスーパービジョン、自身の音楽創作・演奏活動も行っている。共著に『新しい芸術療法の流れ クリエイティブ・アーツ・セラピー』、共訳書に『音楽中心音楽療法』がある



レクチャーコース(各10名)&講演会(一般公開)

 

講演会:

 「演奏に対する不安を解消するために」

 「日本とドイツにおける医学の歩み‐身体中心の従来の医学か ら脳機能の理解に基づいた神経精神医学まで‐」

 

レクチャーコース:

 「ドイツの音楽療法の今」

 「音楽心理療法とは何か」

 「臨床音楽セラピスト養成科について」

 「分析的音楽療法の原理と事例」

 

講師紹介

マルティン・ミュラー(Martin Möller):

  医学博士(Dr. med.)。ドイツ認定放射線科専門医。レーゲンスブルク大学・ミュンヘン工科大学医学部卒業。

  エアランゲン大学病院およびミュンスター大学病院勤務を経て、現在北ドイツにある放射線科診療所 (RANOVA: die Praxis für Radiologie) に所属 

 

 小宮暖:

米国認定音楽療法士(MT-BC)、分析的音楽療法士(AMT)桐朋学園大学ピアノ科卒業、ニューヨーク大学大学院音楽療法科修士課程修了。2005年より分析的音楽療法の個人開業(現在:横浜)、桐朋学園、国立音楽大学 非常勤講師 訳書:ケネス・ブルシア【編著】『音楽心理療法の力動』

 

内田博美:

  ドイツ認定ディプロム音楽療法士、ミュンスター大学音楽療法科修了、博士課程後期在籍中に「音楽療法の本ーもう一人の自分と出会う」を出版。

  臨床音楽セラピスト養成科主任、ドイツ音楽療法センター代表


Impressions